2018年8月17日金曜日

窓のある風景

このところ手元に置き毎日眺めている本があります。
フィルムアート社の「Window Scape — 窓のふるまい学」です。東京工業大学の塚本由晴研究室が調査した世界28カ国の「窓」の写真が実測図と共に載っています。

今、婆は「窓」に心を奪われています。窓そのものの形状はもちろん、開いた窓から見える風景、閉じた窓の内側にうかがえる室内。気に入った窓の写真を眺めていると、自然に小さな物語が頭に浮かんできます。これを版画にしてみようと思い立ち、昨日から作り始めた1枚がこちらです。未だほんの一削りした段階ですが。



余談になりますが、この本を初めて手にしたのは秋葉原の「カフェ・ボンフィーノ」の棚に並んでいたものです。(その後何度も見せてもらっているうちに、自分でも購入!)このカフェ、ちょっとお気に入りです。昭和通りという車の多い通りに面しているのに、意外に静か。それもその筈、YKKのビルの1階にあるのですから。防音の窓はお手の物でしょう。更にコーヒーは、ブラジルの自社農園で育てた豆のみを使っているということです。
YKKグループは、ファスナー、コーヒー豆、窓サッシ、つまり衣・食・住を手がけているのですね。秋葉原にいらしたら、このお洒落で心地よいカフェに一度寄ってみて下さい。
(婆はYKK社とは何も関係がありません!)


2018年8月7日火曜日

自由に絵が描ける幸せ!

今朝方の雨がひんやりとした風を運んでくれて、人心地つきました。気温は昨日より10度以上低くなっています。

週末はまたまた猛暑の中を出かけてきました。一日目は信州上田の「無言館」と「信濃デッサン館」に。
戦没画学生慰霊美術館である「無言館」には、主に東京美術学校在学中、或いは卒業直後に戦場に駆り出され命を失った画学生約130名の作品が収蔵されています。彼らの生命の証ともいえる遺作からは、今ここから画家としての第一歩を踏み出そうとしている若者の熱い眼差しが感じられました。

また、今年3月から休館中であると報じられていた「信濃デッサン館」が、幸運なことに、期間限定で開館していました!病気や貧困の中、その才能を十分開花させることなく夭逝した画家たち(村山槐多、関根正二、松本竣介、等など)の作品が展示されています。コレクターであり、この美術館を建てられた館長の窪島誠一郎氏のお元気な姿も見られました。




二つの美術館を見て、何の制約もなく自由に絵が描けるという現在の自分たちが如何に幸せか、つくづくと思い知らされました。

夕方早めに別所温泉の宿に入り、文化財にもなっている歴史ある建物に感心しつつゆっくり体を休めることができました。



二日目は、軽井沢の「脇田美術館」へ。脇田和(1908-2005)は、生誕から97歳で天寿を全うするまで、画家として大変恵まれた生涯を送った方のようです。自らの才能はもちろん、家族の文化的素養、経済的状況、どれをとっても画家を育てるに申し分ない環境だったと思われます。そのことは彼の柔らかで温かみある画風からも伺いしれます。



今回の旅では、正反対の運命を辿った画家たちの作品に触れ、月並みですが、平和の世にあることに感謝しました。折しも8月6日、広島の原爆記念の日に。


2018年8月3日金曜日

暑中お見舞い申し上げます

猛暑の候、皆様にはお障りございませんでしょうか?

まだ8月に入ったばかりというのに、既に婆は夏バテ気味でこのところひっそりと過ごしています。隅田川の花火大会に出かけた位です。



今日は、覚悟を決めて神保町のアートスクールに行ってきました。熱風の中を泳ぐように歩いて教室に着くと、クラスメートは早々と制作にとりかかっていて、その熱意に我が身を反省した次第です。

この夏は長くなりそうですね。どうぞ皆様、明日できることは明日にとっておき、とりあえず今日はゆっくりのんびりと、のスタンスでお大事にお過ごしくださいませ。


2018年7月24日火曜日

秋に見頃を迎える田んぼアートですが

41.1℃、観測史上最高温!昨日、熊谷が「災害的」高温に達し、全国1位の座を奪還したようです。

実は、前日に日光霧降高原に泊まった婆たちは、熊谷の美術館を訪ねる予定でした。けれど、39℃の予報が出ていた熊谷に向かうのは無謀な気がして諦め、代わりに、行田の古代蓮と田んぼアートを見にいくことにしました。(後で知ったのですが、行田市も40℃前後まで上がっていたようです。)

「古代蓮の里」は、世界の蓮園、古代蓮池、水生植物園などきれいに区画整備されていて、花の盛りの頃にはどんなに美しいだろうと思わせるものでしたが、既に盛りを過ぎていて、あのシャワーヘッドのような蓮の実が目立ちました。ただ、造形的には花より実の方が遥かに魅力的な気がします。


この蓮池を上方から見られるのが、「古代蓮会館」の2階の展望台です(50m高)。足下の蓮池は元より、行田市の全貌が見渡せ、かつ話題の田んぼアートも間近に見られます。今年のテーマは「大いなる翼とナスカの地上絵」でした。田んぼアートを一種の地上絵と考え、ナスカの地上絵のうちハチドリとコンドルを取り入れたデザインはダイナミックでスケールの大きなものでした。行田市の更なる飛躍の願いを乗せているとのことです。秋になって稲穂が実ると、更に美しい色彩で楽しませてくれることでしょう。


因みに、昨年の絵のテーマは、ドラマ「陸王」だったそうです。


2018年7月15日日曜日

トーン・テレヘンのお話

猛暑を理由に、すっかり怠け者になっています。明日の工房の大掃除に備えて体力を温存しておかなければ、などと理由をつけて。

うつらうつらしながら、オランダの作家トーン・テレヘンの「きげんのいいリス」(新潮社)を読んでいます。難しい哲学的な内容なのかもしれないのですが、普通に読めば、大人も子供も易しく読める動物のお話です。
ゾウもアリもハリネズミも、どの動物も同じ大きさで、自分の存在に悩んだり、疑問を抱いたりします。他愛ないけれど重要なことで。不思議な世界です。優しいリスは聞き役になることが多く悩みに巻き込まれたりしますが、でもすぐに忘れてしまうところが素敵です。
小さい頃の自分のことを思い出すと、"よくわかる"気がします。動物たちの気持ち、特にリスの気持ちが。同じ作者の「ハリネズミの願い」も遅ればせながら読んでみたくなりました。


随分前に婆が作った銅版画の「どうしたの?」シリーズのことを思い出しました。ハリネズミやペンギン、シロクマ、ヒツジなどが登場します。未だ技術的に本当に拙いものだったので、いつかリメイクしてみようかと思います。今ならもう少し良いものが描けるかもしれません。


2018年7月7日土曜日

七夕の街を歩く

久しぶりに雨が上がり、表通りを行き交う人の声が賑やかです。
昨日から始まっている入谷の朝顔まつりに向かう人たちかもしれません。

婆も朝からあちこち巡ってきました。
先ず、千住大橋のたもとにある石洞美術館へ。創設者の佐藤千尋氏(石洞山人)のコレクションの中から主に平面作品を展示中です。時代も洋の東西も問わず様々な作品がある中で、良いなと感じたのは、近代日本の作家の作品でした。様式美よりも作家の個性が出ているものに惹かれます。
今日も来館者は婆たちの他にもう一組のみ。静謐、この上なく。
「石洞山人のまなざし」は8月5日まで。



お昼は千寿の「竹やぶ」で十割蕎麦をいただき今度は銀座へ。

婆の版画の師である渡辺達正先生がギャラリー惣さんで3人展「3つの島とつなぐ海」を開催中。今日が最終日なのでたくさんのお客様でした。
お三方ともミニアチュールとして小品を出されていましたが、渡辺先生の銅版画の石膏刷りは珍しい技法で、説明を伺い婆も是非やってみたくなりました。ワクワクした気持ちで入谷に移動です。



いりや画廊さんで開催中の企画展「壁11平米の彫刻展 III」には7人の彫刻家が参加しています。ACCa で何度か展示していただいた里佳孝さんも出品しています。彼の物語性のある楠の作品は健在でした。7月14日まで。



いりや画廊さんを出るとすぐの入谷の交差点は、朝顔まつりを楽しむ人で溢れていました。まつりは明日まで。晴れると良いですね。


2018年6月29日金曜日

小さな仕事場です

梅雨が明けたそうです!まだ6月なのに。
みんな薄々感じていたのでは?もう明けたのに気象庁が宣言を躊躇っているのだな、と。

ACCa の展示室のその後ですが、婆達の仕事場に変わっています。
夫は早々と、小品制作のための台やら暗幕やら設え、日々描いています。
先週、婆も彼のアトリエからプレス機を移動し、小品なら家で刷れるようにしました。B5版位まで可能です。大きなものは、ZABO House の工房で刷らせてもらいます。



通りに面したウインドウには、今婆の陶の作品を置いています。タイトルは「せんたく女たち」です。小さな窓からか、屋根の上から覗くとかろうじて3人の洗濯している女性がみえる、というもの。



実は、これは婆のオリジナルではなく、中野滋さんという彫刻家の石の作品を真似たものです。実物は5、6倍位の大きさでしょうか。その作品に出会った時、一目で好きになってしまい、土で模刻してみようと思い立ったのです。採寸した訳でもなく、ウル覚えでラフに制作したため、とても模刻しましたとは言えない出来上がりになってしまいましたが、でも気に入っています。中野先生に許可をいただいてもいないので、本当は、他の方にお見せしてはいけないのかもしれません!