昨日は、ACCa のお客様で、ご自分も絵を描かれる方が何人かいらして下さいました。みなさん、実にじっくり鑑賞してくださいます。モチーフは人物ですとご説明すると一様に不思議がられ、また丹念に見直されます。安木さんの絵が発するオーラを吸い込むように。
話は変わりますが、智美術館で開かれている「夢つむぐ人 藤平伸の世界」に行ってきました。うかうかすると終了してしまうかも、と家人に店番を託して出掛けました。
近くに大使館や大きなホテルのある神谷町は、既に師走の慌ただしさが感じられましたが、美術館はいつも通り凛とした佇まいで、エントランスから別世界の展示室へと静かに誘ってくれました。
"陶芸家藤平伸"と呼ばれているのを目にするにつけ、彼は彫刻家と呼ぶ方が相応しいのではないかと思っていました。でもそれは、彼の人生後半の作品しか見ていないからかもしれない。初期、中期の作品は陶芸家としてのそれか。確かめたい思いがありました。
結論としては、やはり彼は根っからの彫刻家のような気がしました。(美術館側のセレクションにもよると思いますが!)
確かに、壺や大きな皿など一見用途のありそうな作品も展示されていましたが、フォルムもテクスチャーも伝統的な陶芸家の作品とは異なり、"陶土で制作した立体に施釉した"彫刻と言ったらよいようなものでした。初期の作品から晩年のものまで一貫してそこはかとない叙情性を秘め、詩人の作品とも呼べそうです。
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