2018年9月15日土曜日

開幕のベルは

小劇団の芝居では鳴りません。静かにライトが落とされて始まります。
昨晩、グループ・ぱるによる「蜜柑とユウウツー茨木のり子異聞ー」を観てきました。

平易な言葉で誠実に語る茨木のり子は、婆が身構えずに読める数少ない詩人の一人です。
彼女の人となりには興味がありますし、演出がマキノノゾミなので是非みたかったものです。

期待通り、心に染みる芝居でした。終戦から戦後、亡くなるまでの心の動きが、彼女の詩のなかでもよく知られているフレーズを織り込みながらしっかりと表現されていました。今この国で、"こういう危うい状況"にある婆たちが、日々心の中で自問しているような問いが、70年前から茨木のり子によって問われ語られているものと同様であると知らされます。



お芝居を観に行くと必ず入り口で今後の演劇の公演案内のパンフレットを大量に手渡されます。昨日は、今年から来年春にかけて上演される舞台50枚位ありました。
各々の作家、演出家、俳優、上演場所などをチェックしながら、次に観に行く公演を絞っていったのですが、以下の二つになりました。行かれますように!

こまつ座 「母と暮せば」
コメディ オン ザ ボード 「花咲く家の物語」



2018年9月8日土曜日

今年もりんごやさんで

台風21号、北海道地震、と大きな自然災害が続いています。
今まで災害が起きた時には、貯金箱を持って郵便局に行き、ささやかな義援金を送らせてもらっていたのですが、最近は次から次で貯まる暇がありません!
日本だけでなく地球の至るところで不穏な気象現象が起きているようです。

とは言え、自分自身は平静を保ち普段と変わらぬ生活を送るしかありません。

版画の制作は、"窓"モチーフの第2作に入っています。まだ削り始めたばかり。第1作と並行して進めて行こうと思っています。この2作、間に合えば「版画日和 Vol.5」(上野銅好会によるグループ展です)に出品する予定です。
今回も、根津の喫茶・ギャラリー「りんごや」さんで10月8日(月)〜10月14日(日)に開きます。もしお近くにいらっしゃることがありましたら覗いてみて下さいね。





2018年8月29日水曜日

不思議な絵も色々ありますが

久しぶりのブログです。
一週間ほど愛知県の茶臼山高原というところに行ってました。涼を求めて出かけたのですが、あいにく台風20号の大歓迎を受け、暴風雨に2日も宿に閉じ込められてしまいました。でも晴れた日の夜空は格別で、星とともに野生の鹿たちのシルエットを楽しむことができました。

この旅の行き帰りにも、いくつかの美術館、博物館を訪ねました。静岡県立美術館、飯田市美術博物館、浜松市楽器博物館などです。

特に良かったのは静岡県立美術館の「安野光雅のふしぎな絵本展」です。展示作品の多くは彼の絵本で見覚えのある絵の原画でしたが、”不思議”に焦点が当てられていて、改めて謎解きの楽しさを堪能することができました。


更に感じたのは、”不思議”の表現にも色々あるな、ということです。現実世界ではありえないことを同じように扱っていても、例えばマグリットと安野では随分印象が違います。マグリットの表現はシュールで思想的ですが、安野の表現は不思議でありながら平易で子供にも楽しめるものです。
これまで婆の版画を見た人から、「マグリットみたい」と言われたことが何度かあるのですが、少し残念に思いました。本当は安野の世界に近い"不思議"なものを表現したいからかもしれません。


2018年8月17日金曜日

窓のある風景

このところ手元に置き毎日眺めている本があります。
フィルムアート社の「Window Scape — 窓のふるまい学」です。東京工業大学の塚本由晴研究室が調査した世界28カ国の「窓」の写真が実測図と共に載っています。

今、婆は「窓」に心を奪われています。窓そのものの形状はもちろん、開いた窓から見える風景、閉じた窓の内側にうかがえる室内。気に入った窓の写真を眺めていると、自然に小さな物語が頭に浮かんできます。これを版画にしてみようと思い立ち、昨日から作り始めた1枚がこちらです。未だほんの一削りした段階ですが。



余談になりますが、この本を初めて手にしたのは秋葉原の「カフェ・ボンフィーノ」の棚に並んでいたものです。(その後何度も見せてもらっているうちに、自分でも購入!)このカフェ、ちょっとお気に入りです。昭和通りという車の多い通りに面しているのに、意外に静か。それもその筈、YKKのビルの1階にあるのですから。防音の窓はお手の物でしょう。更にコーヒーは、ブラジルの自社農園で育てた豆のみを使っているということです。
YKKグループは、ファスナー、コーヒー豆、窓サッシ、つまり衣・食・住を手がけているのですね。秋葉原にいらしたら、このお洒落で心地よいカフェに一度寄ってみて下さい。
(婆はYKK社とは何も関係がありません!)


2018年8月7日火曜日

自由に絵が描ける幸せ!

今朝方の雨がひんやりとした風を運んでくれて、人心地つきました。気温は昨日より10度以上低くなっています。

週末はまたまた猛暑の中を出かけてきました。一日目は信州上田の「無言館」と「信濃デッサン館」に。
戦没画学生慰霊美術館である「無言館」には、主に東京美術学校在学中、或いは卒業直後に戦場に駆り出され命を失った画学生約130名の作品が収蔵されています。彼らの生命の証ともいえる遺作からは、今ここから画家としての第一歩を踏み出そうとしている若者の熱い眼差しが感じられました。

また、今年3月から休館中であると報じられていた「信濃デッサン館」が、幸運なことに、期間限定で開館していました!病気や貧困の中、その才能を十分開花させることなく夭逝した画家たち(村山槐多、関根正二、松本竣介、等など)の作品が展示されています。コレクターであり、この美術館を建てられた館長の窪島誠一郎氏のお元気な姿も見られました。




二つの美術館を見て、何の制約もなく自由に絵が描けるという現在の自分たちが如何に幸せか、つくづくと思い知らされました。

夕方早めに別所温泉の宿に入り、文化財にもなっている歴史ある建物に感心しつつゆっくり体を休めることができました。



二日目は、軽井沢の「脇田美術館」へ。脇田和(1908-2005)は、生誕から97歳で天寿を全うするまで、画家として大変恵まれた生涯を送った方のようです。自らの才能はもちろん、家族の文化的素養、経済的状況、どれをとっても画家を育てるに申し分ない環境だったと思われます。そのことは彼の柔らかで温かみある画風からも伺いしれます。



今回の旅では、正反対の運命を辿った画家たちの作品に触れ、月並みですが、平和の世にあることに感謝しました。折しも8月6日、広島の原爆記念の日に。


2018年8月3日金曜日

暑中お見舞い申し上げます

猛暑の候、皆様にはお障りございませんでしょうか?

まだ8月に入ったばかりというのに、既に婆は夏バテ気味でこのところひっそりと過ごしています。隅田川の花火大会に出かけた位です。



今日は、覚悟を決めて神保町のアートスクールに行ってきました。熱風の中を泳ぐように歩いて教室に着くと、クラスメートは早々と制作にとりかかっていて、その熱意に我が身を反省した次第です。

この夏は長くなりそうですね。どうぞ皆様、明日できることは明日にとっておき、とりあえず今日はゆっくりのんびりと、のスタンスでお大事にお過ごしくださいませ。


2018年7月24日火曜日

秋に見頃を迎える田んぼアートですが

41.1℃、観測史上最高温!昨日、熊谷が「災害的」高温に達し、全国1位の座を奪還したようです。

実は、前日に日光霧降高原に泊まった婆たちは、熊谷の美術館を訪ねる予定でした。けれど、39℃の予報が出ていた熊谷に向かうのは無謀な気がして諦め、代わりに、行田の古代蓮と田んぼアートを見にいくことにしました。(後で知ったのですが、行田市も40℃前後まで上がっていたようです。)

「古代蓮の里」は、世界の蓮園、古代蓮池、水生植物園などきれいに区画整備されていて、花の盛りの頃にはどんなに美しいだろうと思わせるものでしたが、既に盛りを過ぎていて、あのシャワーヘッドのような蓮の実が目立ちました。ただ、造形的には花より実の方が遥かに魅力的な気がします。


この蓮池を上方から見られるのが、「古代蓮会館」の2階の展望台です(50m高)。足下の蓮池は元より、行田市の全貌が見渡せ、かつ話題の田んぼアートも間近に見られます。今年のテーマは「大いなる翼とナスカの地上絵」でした。田んぼアートを一種の地上絵と考え、ナスカの地上絵のうちハチドリとコンドルを取り入れたデザインはダイナミックでスケールの大きなものでした。行田市の更なる飛躍の願いを乗せているとのことです。秋になって稲穂が実ると、更に美しい色彩で楽しませてくれることでしょう。


因みに、昨年の絵のテーマは、ドラマ「陸王」だったそうです。