2018年8月7日火曜日

自由に絵が描ける幸せ!

今朝方の雨がひんやりとした風を運んでくれて、人心地つきました。気温は昨日より10度以上低くなっています。

週末はまたまた猛暑の中を出かけてきました。一日目は信州上田の「無言館」と「信濃デッサン館」に。
戦没画学生慰霊美術館である「無言館」には、主に東京美術学校在学中、或いは卒業直後に戦場に駆り出され命を失った画学生約130名の作品が収蔵されています。彼らの生命の証ともいえる遺作からは、今ここから画家としての第一歩を踏み出そうとしている若者の熱い眼差しが感じられました。

また、今年3月から休館中であると報じられていた「信濃デッサン館」が、幸運なことに、期間限定で開館していました!病気や貧困の中、その才能を十分開花させることなく夭逝した画家たち(村山槐多、関根正二、松本竣介、等など)の作品が展示されています。コレクターであり、この美術館を建てられた館長の窪島誠一郎氏のお元気な姿も見られました。




二つの美術館を見て、何の制約もなく自由に絵が描けるという現在の自分たちが如何に幸せか、つくづくと思い知らされました。

夕方早めに別所温泉の宿に入り、文化財にもなっている歴史ある建物に感心しつつゆっくり体を休めることができました。



二日目は、軽井沢の「脇田美術館」へ。脇田和(1908-2005)は、生誕から97歳で天寿を全うするまで、画家として大変恵まれた生涯を送った方のようです。自らの才能はもちろん、家族の文化的素養、経済的状況、どれをとっても画家を育てるに申し分ない環境だったと思われます。そのことは彼の柔らかで温かみある画風からも伺いしれます。



今回の旅では、正反対の運命を辿った画家たちの作品に触れ、月並みですが、平和の世にあることに感謝しました。折しも8月6日、広島の原爆記念の日に。


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