2019年8月23日金曜日

嬉しい驚き、B & B!

この夏2度目の旅は安曇野へ。
前回泊まったのは、美術館があるような会員制のホテルでしたが(もちろん婆たちはビジターです)、今回はBed & Breakfast。若い頃利用したヨーロッパのシンプルな宿と朝食を想像していましたが、その予想は完全に裏切られました!

洗練された建物に加えて、朝食の見事なこと!目を見張りました。日本料理がメインですが、季節の新鮮な素材を使ってその朝の為に用意された料理が美しく盛り付けられています。今までこんな朝食を出してくれる宿に泊まったことがありません。



婆はこのブログを始めるに当たって、決して食べ物や食事の写真を載せないと心に誓ったのですが、思わず写真を撮りたいと思った程です(思い留まりました)。メニューの1例だけ載せてしまいますね。



宿には恵まれましたが、お天気の方はどうも...。3日間とも雨でした。
唯一、ガラス作家の松浦あかねさんにお会いできたのが嬉しいことでした。現在日本橋の三越で開かれている日本ガラス工芸協会の展覧会(8月27日まで)に出品中と伺いました。ご活躍です。そうそう、チワワのキューちゃんも元気でした。



2019年8月15日木曜日

近代日本の女性芸術家は?

「あいちトリエンナーレ2019」。この国際芸術祭に寄せて、吉良智子氏(ジェンダー・美術史研究者)が昨日8月14日の東京新聞夕刊に”アート界にも男女平等を”という一文を載せています。

日本では戦前まで、女性は東京芸術大などの国立の機関で美術教育を受ける権利がなかったと言います。私立女子美術学校や一部の私立校、私塾を除いて。 それが戦後男女共学になり法的には平等になったかのようなアート界だが、しかし現状は?という主旨かと思います。

丁度、上野の国立西洋美術館で開催中の「モダン・ウーマン ‐フィンランド美術を彩った女性芸術家たち‐」展を見てきた後だったので、両国を比較して考えることができました。

フィンランドの最初の美術学校では、創立当初から男女平等の美術教育を奨励したとのこと。19世紀半ば。日本に先立つこと100年です!自国での教育、さらには留学のチャンスを掴みキャリアを積み重ねることができたその時代の女性芸術家たちに焦点を当てた展覧会が今回のモダン・ウーマン展。考えさせられました。4年前に日本でも紹介されたヘレン・シャルフベックなど7人の女性芸術家の作品が展示されています。絵画、彫刻、素描、版画など。独自の芸術表現を追い求めて活動していった彼女たちの軌跡を垣間見ることができます。(9月23日まで)




ふと思いました。同じ頃の日本で、即ち明治・大正・昭和の時代に芸術を追い求め、不自由な環境にありながら、自己実現を果たした女性芸術家といえば誰だろうか?と。
上村松園、三岸節子、ラグーザ玉、小倉遊亀、片岡球子、などなど有名人ばかりが頭に浮かんできますが、きっともっと沢山の女性芸術家が注目されないまま埋もれているのではないでしょうか。


2019年8月7日水曜日

高原で出会ったのは

東京の猛暑から暫し逃れようと八ヶ岳高原に行ってきました。昼間はこちらと変わらぬ暑さでしたが、日陰に入ると風が心地良く、救われる思いでした。

この旅では思いがけず良いものが見られました。

一つは宿泊したホテルの美術館で。ピカソやミロを展示している常設展。隣りのギャラリーではフランス在住の銅版画家・野口明美という作家の個展が開かれていました。
「パリのエスプリ ーメトロの風と漆黒の雲ー」
パリのメトロの駅を舞台に、様々なテクニックを駆使してエスプリの利いた洒落た画面を作り出していました。(ダイヤモンド八ヶ岳美術館ソサエティー内ミュージアムで11月15日まで)

(展覧会パンフレットより)

もう一つは星空です。新月のお蔭で暗い空には無数の星が輝いていました。大きく見えたのは、天の川を挟んで向かいあっている木星と土星。土星の環がくっきりと見えた時はちょっと感激しました。もちろん望遠鏡で、です。

そして一番は再訪したアフリカン アート ミュージアムで見た「美女と野獣」展です。
近・現代人のヨーロッパ的美意識とは全く別の「美」の尺度で表現された女性たち。一見すると野獣にみえる神々。実像を大きくデフォルメしてそのものの「精神」を表わしたマスクや立像は迫力をもって見るものを圧倒します。



今回も心満たされて美術館を後にしました。(展示は9月30日まで)