2019年8月15日木曜日

近代日本の女性芸術家は?

「あいちトリエンナーレ2019」。この国際芸術祭に寄せて、吉良智子氏(ジェンダー・美術史研究者)が昨日8月14日の東京新聞夕刊に”アート界にも男女平等を”という一文を載せています。

日本では戦前まで、女性は東京芸術大などの国立の機関で美術教育を受ける権利がなかったと言います。私立女子美術学校や一部の私立校、私塾を除いて。 それが戦後男女共学になり法的には平等になったかのようなアート界だが、しかし現状は?という主旨かと思います。

丁度、上野の国立西洋美術館で開催中の「モダン・ウーマン ‐フィンランド美術を彩った女性芸術家たち‐」展を見てきた後だったので、両国を比較して考えることができました。

フィンランドの最初の美術学校では、創立当初から男女平等の美術教育を奨励したとのこと。19世紀半ば。日本に先立つこと100年です!自国での教育、さらには留学のチャンスを掴みキャリアを積み重ねることができたその時代の女性芸術家たちに焦点を当てた展覧会が今回のモダン・ウーマン展。考えさせられました。4年前に日本でも紹介されたヘレン・シャルフベックなど7人の女性芸術家の作品が展示されています。絵画、彫刻、素描、版画など。独自の芸術表現を追い求めて活動していった彼女たちの軌跡を垣間見ることができます。(9月23日まで)




ふと思いました。同じ頃の日本で、即ち明治・大正・昭和の時代に芸術を追い求め、不自由な環境にありながら、自己実現を果たした女性芸術家といえば誰だろうか?と。
上村松園、三岸節子、ラグーザ玉、小倉遊亀、片岡球子、などなど有名人ばかりが頭に浮かんできますが、きっともっと沢山の女性芸術家が注目されないまま埋もれているのではないでしょうか。


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