2018年12月30日日曜日

年の終わりに

今季一番の寒さ到来と脅かされて身構えていましたが、東京ではさほどでなくホッとしました。後2日、穏やかでありますように!大晦日と元日と。

ACCa のウィンドウに、松浦あかねさんの「うり坊の器」と坂井直樹さんの花生けを飾りました。花は千両と名前を知らない実物(みもの)の小枝です。
両方ともとても上品な作品なので、道行く人は気付かないかも知れません。でも婆達は、外出から帰る度に、「ああ矢っ張りいいな~」と嬉しい気持ちで眺めることでしょう。

 (クリックすると大きくなります)


思い出した時に更新するだけの呑気なブログですが、時たま「読んでますよ」とお声を掛けて頂くのを張り合いに続けられています。

今年も皆様ありがとうございました。

どうぞ良いお年をお迎え下さい。


2018年12月20日木曜日

師走に届いた嬉しい便り

昨日から始まった銀座和光での「アートで綴る和光歳時記」展に行ってきました。
陶磁器、ガラス、金属、漆などのジャンルの中堅作家さん12名による展示です。楽しく華やかな作品が並び、新年を前に、作り手自身もワクワクしながら制作したのだろうな、と想像されました。

ご案内をくださったのは、ACCa で展示してくださったことのあるガラスの松浦あかねさん。鍛金の坂井直樹さんも出品されています。



松浦さんのサンドブラストによる「うり坊の器」が何とも愛らしく予約してきました。また、坂井さんの花活けは相変わらずの洗練されたデザイン。その魅力に抗し難くこれも予約。この2作を、ACCa のお正月のウインドウに飾らせてもらおうと思っています。到着が待たれます!  (展示は25日までです)


ACCa でご縁を頂いた作家さんたちはその後も色々なところで活躍なさっています。我が子の成長を陰ながら喜ぶ親のような気持ちで(大袈裟ですね)見守っている自分が少々恥ずかしいです。


2018年12月13日木曜日

うかうかしていると終わってしまう!

細々とした用事で何かと忙しい師走。見たい、行きたい、と思っていた展覧会も段々会期が終わりに近づいてきます。うかうかしていると大変!

この一週間は、4展を見てまわることが出来、ホッとしています。

先ず、銀座伊東屋のギャラリーで開催中の版画家・山宮律子さんの個展へ。いつものように、明るく色彩豊かな絵が壁面を彩っています。在廊されていた山宮さんに新作のドローイングのお話などうかがえて楽しいひと時でした。(15日までです)



次に、ご近所の「そら塾」さんで開かれている陶器と絵画の二人展。フランス人のGenevieve Navarre さんはもう長いこと栃木県の茂木で作陶。絵も描かれています。隣の益子市で陶器を焼いていらっしゃるのがムナカタミネさん。素朴で技術に走り過ぎない作風は、お二人の作品に共通しています。親子ほどの年齢差かとお見受けしましたが、とても良い友人関係にあるようでした。(終了しました)



さらに、婆が大好きな絵本作家のみやこしあきこさんの個展です。新作の絵本「ぼくのたび」の原画展が原宿のブロンズ新社で。今回は全てリトグラフによるものです。絵本の制作の工程を紹介しているビデオに、婆もお世話になっている工房ザボハウスも一瞬登場。あ、あの時撮影していたもの!
絵本を購入。在廊なさっていたみやこしさんにサインをお願いしてしまいました。(終了しました)



六本木の国立新美術館の「ピエール・ボナール展」は、もうずっと以前にチケットを購入してありました。週末の夕方に行ったので、心配していた程の混雑はなく、ゆったり鑑賞することができました。ナビ派の他の画家と同様に、ボナールの画家としての人生も、常に新しい画風を求める実験の連続だったのだな、という印象を受けました。(17日までです)



2018年12月1日土曜日

師走のウインドウには

今年は到頭木枯らし1号が吹かずに師走を迎えてしまいました。39年振りとのことです。穏やかな年末です。 

街中は既にクリスマスムード。ケーキやお節の予約受付の幟がはためいて賑やかな歳末商戦に入っています。

 ACCaのウインドウも少し模様替えしてみました。



左から、 彫刻家・吉村貴子さんの「待っててね」、同じく彫刻家・中野滋さんの「プラネットソング」、そしてイラストレータ・中井絵津子さんの「初飛行」です。
"天使”は婆の好きなモチーフ。いつか自分でも作ってみたいと思っています。


2018年11月24日土曜日

紅葉の甲州を行く

相方との気まま旅、今週は甲斐路を巡ってきました。巷で言われている通り、今年の紅葉は色鮮やかとまでは行っていないようでしたが、それでも申し分ない秋晴れに恵まれ気分は晴れやか、楽しい2日間でした。

まず訪れたのは、韮崎大村美術館。あのノーベル賞の大村智さんが創設した美術館です。現在「百寿記念 堀文子展」が開かれていました。常設展示の方でも、小倉遊亀や片岡球子、篠田桃紅などの女性画家(いずれも100歳前後まで制作)の作品が並び、画家はご長寿な方が多いなと感心させられました。ちなみに、大村さんは女子美の理事をなさっていて、女性画家との交流が深いようです。



宿泊したフルーツパークのホテルは、全室から富士山が眺められるというもの。朝起きてカーテンを開けた時に現れた大きな富士山にはやはり感激しました。いつも房総半島から見る富士はちょっと小さいのです。富士を眺めながら露天風呂に浸かり、レストランで朝食をとり、さながら"富士尽くし"の宿でした。



二日目は甲州のワイナリーを何軒か訪れ、新酒のテイスティングをしました。ドライバーは無論飲めないので、申し訳ないと思いつつ、婆がほんの少しずつお味見。普段は買わない甘口のワインを購入してきました。
最後に折角だからと恵林寺(武田信玄の菩提寺)に寄ったのですが、夢窓国師が手がけた建物と庭が素晴らしく、今回の旅のハイライト!と心の中で叫びました。思えば、夢窓国師デザインの庭は、京都の天龍寺、西芳寺、多治見の永保寺、どちらも印象深く、他のお庭も見てみたいと思っていたのです。思いがけず出会えて何とも嬉しいことでした。





2018年11月15日木曜日

制作もしています!

展覧会やコンサート、演劇等々、秋は出かけることが多い季節です。
が、鑑賞するばかりでなく、婆も日々制作に励んでいます。

来年の春、婆の所属する東京陶芸倶楽部が3年振りに展覧会を開くことになりました。場所は、練馬区立美術館とのことです。さて、どんなテーマで作品を作りましょう。最近は、シャベルやフォーク、ジョウロなど庭いじりの道具を作っているので(陶製なのでもちろん使えるものではありません!)、ガーデニングをテーマにしてみようかしら、と思案中。こういう時間が一番楽しいです。



銅版画の方は、時間が許す限り毎日版に触れています。
先日のりんごやさんでのグループ展には間に合わなかった窓(カーテン)の作品はほぼ出来上がりました。というか、ここで一度、止まってみようという感じです。どうもこの作品には手こずりました。
今は、10cm×10cmのミニプリントの制作に入っています。動物モチーフで4作になる予定。共通テーマは「どうしたの?」です。1作目はペンギンとシロクマ、次はハリネズミ、さらにヒツジを考えています。最後はカバに登場してもらおうかと思っているのですが、まだ構図が決まっていません。ああでもない、こうでもない、と考えるうちに秋の夜はふけていきます。




2018年11月9日金曜日

平易な日本語訳は谷川俊太郎による

昨晩、「人権コンサート2018 世界の名曲 日本の名曲」に行ってきました。天満敦子のバイオリン、窪島誠一郎、山根基世の朗読・トーク、という案内に惹かれて。



今年が、世界人権宣言70周年に当たるということで、先ず山根さん(元NHKアナ)の人権宣言朗読から始まったのですが、その文章がとても柔らかで分かりやすくビックリ。谷川俊太郎の訳ということでした。お役所が公に出している硬くてよそよそしい翻訳(失礼!)とは全く異なるもので、言葉の役割の大きさに新ためて気付かされました。
客席はほぼシニアで埋め尽くされていましたが、若い人たちにも聞いて欲しかったです。

天満さんの演奏は力強く心がこもったものでした。楽器がかのストラディバリウスだったのかどうか、残念ながら婆には判りませんでしたが!トークにも暫し参加した天満さんはとても茶目っ気のある方で、会場からも笑いが起きていました。

窪島・山根の「人権」についてのトークは丁々発止。二人ともすごいおしゃべりな方だということがわかりました。窪島さんは意外でした。お写真からダンディで物静かな方という印象を受けていましたし、8月に信濃デッサン館でお見かけした時もやや暗めな感じを漂わせていたと思うのです(当時は術後間もなくだったと判明)。それがすこぶる明るくて、なかなか言いにくいこともズバズバと話されるので、こちらがハラハラする位でした。人は、実際に会ってみないと判らないものですね。

トークの後、また天満さんの演奏があったのですが、アンコールに「月の砂漠」と都はるみの「北の宿から」を選ばれたのは、やはり客席のシニアを思ってのことだったのでしょう。
素敵な夜でした。


2018年11月2日金曜日

文化の日を考える

明日は「文化の日」です。
これまでこの祝日の意味を深く考えることもなかったのですが、ふと思い立って調べてみると、「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」なのだそうです!
何故"自由と平和を愛し"という言葉が入っているかというと、1946年のこの日、11月3日に日本国憲法が公布されたことに由来するようです(きっと小学生の時に習いましたね。忘れただけです)。とすると、今ほど「文化の日」が重要な意味を持っている時は無いのではないでしょうか?

"文化をすすめる"の方ですが、こちらは大いに活発化し我らの精神生活を豊かにして欲しいと願っています。特に芸術面に期待大です。

さて婆のささやかな文化活動は?この一週間、コンサートや芝居、展覧会に出かけ、とても幸せな時間を過ごしていました。

「こどものための柴基金」チャリティーコンサートで、ソプラニスタの岡本知高さんや松崎茂さんの楽しいおしゃべりや大音量の歌声を聴く。日本橋三井ホールにて。

コメディ・オン・ザ・ボードによる芝居。マルセ太郎作「花咲く家の物語」は20年前のグループホームの話。笑いながら涙がこみ上げてくる温かい舞台。両国シアターχ(カイ)にて。

そしてCWAJの版画展。日本国内の著名なアーティストや新進気鋭の作家たちによる版画展で華やかな雰囲気でした。日米の女性たちがボランティアで運営し、純益は女性奨学金や福島支援に使われます。代官山ヒルサイドフォーラムにて。



気軽にこんな催しに出かけられるのは東京に住んでいるからこそでしょうか?シニアにはありがたいことです。


2018年10月25日木曜日

穏やかな日々です

空色の空と乾いた風、自分の知っている「秋」がやってきました!異常気象の今年、夏から一足飛びに冬に突入してしまうのでは、と不安に思っていたので一安心です。

この季節を満喫したいと、思いつくままに出かけています。
週末は房総の海を見に行ってきました。アクアラインをつかうと2時間もかからないので気軽です。岩井海岸に泊まったのですが、朝窓を開けると、海には白い釣り船がぽつぽつ浮かび、遠くに冠雪した富士山がくっきり。昔ながらの絵に描いたような風景に少し恥ずかしくもありましたが、嬉しくもありました。

翌日は、日本の酪農発祥の地と言われる嶺岡の牧場に。徳川吉宗がインドから白牛を輸入し、醍醐など乳製品を作ったのが始まりだということです。諸説ありそうな。その流れを汲んで、現在千葉県が日本3位の酪農県ということも知りました。



今日は今日とて、余りに空がきれいだったので家にいられず、水元公園に出かけました。ジェイン・スーさんが最近訪れて、「カナダだ!」と叫んだとか(カナダに行ったことはないそうです)。ポプラやメタセコイアの林の中を思い思いに散歩する人。バスでやってきた幼稚園児。サギに釣果を狙われながら、池でのんびり釣り糸をたらす人。
のどかで平和な情景にホッとする一時でした。




2018年10月15日月曜日

フォトグラム体験は楽しくて

昨日は、「ミュゼ浜口陽三」で開かれたフォトグラムのワークショップに参加してきました。現在、美術館は改装中で展示はお休みです。その間、地下の展示室を利用していくつかのワークショップを開きます、とのお知らせ。婆はフォトグラムの体験を選びました。

フォトグラムは、カメラを使わない写真のことです。印画紙の上に直接物を置いて感光させ、イメージを作ります。光と影のかたちや輪郭の面白さを発見できるので、婆が銅版画でよく使う技法、メゾチントにも繋がりそうです。

現像液や印画紙、モチーフ用の小物などは美術館の方で用意してくださり、暗闇の中で好みのモチーフを組み合わせ感光させました。懐中電灯で感光させるのは1秒にも充ない瞬間的な技なので、緊張したり慌てたり。皆キャキャキャ言いながらトライしていました。
液体処理をして乾かした写真には不思議とどれにも個性が出ていて面白かったです。参加者は全員、楽しかったので是非またやりたいと言っていました。



午後はりんごやさんへ。「版画日和」展の最終日なのでたくさんお客様がいらして下さいました。5時で終了。無事に搬出を済ませました。
おみえ下さった皆様、お忙しい中を本当にありがとうございました。また再来年お目にかかれますよう!


2018年10月9日火曜日

「版画日和 Vol.5」展、始まりました

昨日、無事に初日を迎えました。
この「版画日和」展、りんごやさんで隔年で開かせていただいていますが、今回も谷中芸工展というイベント期間中に入れて頂けたので、パンフレット片手に街歩きする人が、ちょこちょこ覗いていってくれます。
美味しい紅茶をいただきながら(りんごやさんは喫茶・ギャラリーです)、ふらりと入っていらしたお客様と版画談義に花を咲かせたり、亀のぜんちゃんと遊んだり、楽しくお店番をしています。



余談ですが、ぜんちゃん(本名ぜんのすけ君)は今年18歳。とても好奇心が強くお客様がみえると、近寄って行ってご挨拶するのが大好きです。簡単な言葉は分かります。



展覧会は14日(日)の午後5時までです。お出かけください。


2018年10月6日土曜日

「たばこと塩の博物館」では今

月曜日に始まるグループ展「版画日和」へ出品する作品もほぼ完成したので、今日は一息入れることに。「たばこと塩の博物館」で開かれているMOLA展を観に行ってきました。

スカイツリーにほど近い墨田区横川というところにあります。初めて訪れたのですが、素晴らしく設備の整った立派な博物館で、常設展示として、たばこと塩に関する情報が最新のAO技術を駆使して分かりやすく、かつ美しく紹介されています。(入場料100円は信じられない価格です!)
圧巻は塩の展示室のポーランド岩塩や、岩塩彫刻「聖キンガ像」です。



さて、今回のMOLA展は、特別展示です。
パナマの先住民クナ族の鮮やかな"衣装と意匠"がテーマです。クナ族の女性が代々引き継いできたMOLA(刺繍、キルティング、アップリケの混合技法)は主に女性のブラウスに用いられてきた装飾布です。モチーフは、植物、鳥、魚、亀、イグアナ、セミなどの身の回りに存在するクナ族にとって大切な生物で、チーフカラーは赤と黒。そこに黄、緑、青、紫などの原色が加わって眩しいほどに明るく楽しい柄が出来上がっています。熱帯の太陽がもたらす独特の意匠と言えるでしょう。



秋の長雨にともすれば気が滅入りそうなこの頃。気持ちが一挙にハイになりました。



2018年9月22日土曜日

「ここ滋賀」から世田谷アートフリマへ

今日は日本橋の「ここ滋賀」(滋賀県のアンテナショップ)で開かれている染付作家・小野田康子さんとパートナーの織部作家・江口克己さんの展示にお邪魔してきました。お二人ともお元気でした。
DMハガキの作品にとても惹かれたのですが既に完売!やはり初日に伺わなければだめですね。小野田さん流のユーモア溢れる近江八景の絵が何とも楽しいシリーズです。次回は初日に馳せ参じます(笑)。
この展示は、9月24日(月)16時までです。



その足で今度は三軒茶屋で今日明日開催の「世田谷アートフリマ」に行ってみました。前々から興味のあったイベントです。"手づくりアートののみの市"と銘打ったこのフリマはもう30回目になるとのこと。アクセサリーから衣服、食品まで様々な手づくり品が並べられ、お客様は皆さんとても楽しそうに見て歩いていました。
イベントを運営されている主催者の力量を感じました。



同様の手作りアートフェアー、上野のお寺・宗雲院の「テラデマルシェ」は来週末に開催されます。